『天気の子(Weathering With You) 』米国発レビュー

『天気の子(Weathering With You) 』米国発レビュー

2020年1月21日 0 投稿者: Soylattes

新海誠監督のアニメーション映画『天気の子』が2020年1月17日にアメリカで公開されました。他のハリウッド映画等に比べると上映されている映画館も限られてはいますが、どの時間帯の空席状況を見ても、空きは少なく、アメリカのファンの間でも随分と楽しみにされていた作品である様子が伺えます。

日本では既に2019年7月19日に公開されていたので、半年遅れでのアメリカ公開となりました。上映も英語吹き替え版と、英語サブタイトル版の両方で上映されていたので、今回はオリジナルの日本語で気軽に鑑賞すべく、(日本語音声)英語サブタイトル版のチケットを購入。オースティン近辺では英語サブタイトル版は夕方から比較的遅めの時間の上映だったのでレイトショー状態、場所はお気に入りのCINEMARKにて。

アメリカ版タイトルは「Weathering with you」

アメリカ版「天気の子」のタイトルは「Weathering with you」。辞書的な意味で考えると、weatherの動詞にはダイレクトに天気に直結する意味はなく、「風化する」や「耐える」といった意味が出てきます。新海誠監督によればweatherをワードとして使うことありきで、(困難に)耐えるという意味ともとれるタイトルを選んだとあります。

英語音声のみの映画に比べて日本語版はとてもラク

アメリカの映画館で映画鑑賞をする際は、当然字幕も無い英語音声のみでの鑑賞となるのですが、今回久しぶりに日本語音声の映画を鑑賞してみて、普段の映画鑑賞では、知らず知らずのうちに”翻訳疲れ”と”正確に聞き取れていないストレス”を感じていることに気付きました。

今回の作品のように、日本の映画が世界中で公開される流れがより一層活発になれば、海外在住の日本人にとって、日本の映画の映画鑑賞自体が、日本語のシャワーを浴びることができる、非常にヒーリング効果が高い娯楽になる気がします。

サブタイトルに時々目をやりながら、複雑だったり、微妙なニュアンスを伝える日本語の会話が一体どのように訳されているかを見るもの結構面白い。特に笑いを誘う場面や会話は、かなり翻訳者泣かせだと思いました。それでも、ユーモアがある場面では、映像とリンクしたサブタイトルで、こちらの方々の笑い声がしっかりと聞こえてくるので、さすがです。

こちらのシートが、以前の投稿でもご紹介した「Luxury Loungers」。シート内側のコントローラーを使って、リクライニングとフットレストの可動が可能なだけでなく、横幅も十分に広いので、ほぼ家のソファーで鑑賞している状態になります。

前後の通路幅もかなり広いので、フットレストの足を完全に伸ばしても、人が通れるほどの通路は確保されている状態。こちらの方々は、このシートに、バケツクラスのポップコーンとお代わりをしなくて済む程度の大きめのドリンクを購入して臨戦態勢。

「天気の子(Weathering with you)」レビュー

一言でいえば、期待を裏切らないとても良い映画でした。たった二時間弱の映像の中に、世界に誇れる日本のアニメーションのクオリティ、気候変動、「君の名は。」から引き継がれている都会と地方の対比、日本が抱える重たい課題までがぎっしり詰まっていて、それでいて、一番コアの部分に強いメッセージとシンプルなストーリーを感じ取れました。

風景描写だけにとどまらず、東京の人間関係や悩み、若い人たちとお金の問題など、あまり表には出てこない出来事をリアルに描いた部分には、色々と考えされられる部分が多いのですが、その割には、観終わった後に気持ちが重く沈むわけではないところが、計算されつくしたバランスのお陰ではないかと感じます。

音楽と映像のタイミングが同期している部分も、最近のアニメーション映画らしくて、映画全体の抑揚をよりドラマティックにしています。Radwimpsとの新海誠監督との間での間合いというか、阿吽の呼吸のようなものがあって、「君の名は。」の世界観を味わいたいファンにとっては、この辺も期待を裏切らない重要な要素となっているようです。

世界同時上映も多くなってきている昨今の公開日の設定からすると、日本の公開から半年後に公開というのは少し遅い気がしますが、全米においてもすでに順調な滑り出しを記録しているようです。

日本で起こっている様々な問題や日本の”らしさ”を魅力とするこういった映画を、日本の外であるアメリカの地で鑑賞をすると、より一層客観的に日本を見ているような気がしますが、それ以上に、日本の個性や良さというものも実感することもできました。こういった日本初の映画が、今後もアメリカや世界各国で上映され続けてほしいですね。

2+