「天気の子(Weathering with you)」レビュー
一言でいえば、期待を裏切らないとても良い映画でした。たった二時間弱の映像の中に、世界に誇れる日本のアニメーションのクオリティ、気候変動、「君の名は。」から引き継がれている都会と地方の対比、日本が抱える重たい課題までがぎっしり詰まっていて、それでいて、一番コアの部分に強いメッセージとシンプルなストーリーを感じ取れました。
風景描写だけにとどまらず、東京の人間関係や悩み、若い人たちとお金の問題など、あまり表には出てこない出来事をリアルに描いた部分には、色々と考えされられる部分が多いのですが、その割には、観終わった後に気持ちが重く沈むわけではないところが、計算されつくしたバランスのお陰ではないかと感じます。
音楽と映像のタイミングが同期している部分も、最近のアニメーション映画らしくて、映画全体の抑揚をよりドラマティックにしています。Radwimpsとの新海誠監督との間での間合いというか、阿吽の呼吸のようなものがあって、「君の名は。」の世界観を味わいたいファンにとっては、この辺も期待を裏切らない重要な要素となっているようです。