『ナイブズ・アウト(Knives Out) 』の魅力②:屋敷と音楽が「ザ・ミステリー」
舞台はアメリカNYなのに、どこかヨーロッパの雰囲気や古き良きミステリー映画を見ている感覚になれるのは、ほぼ全編を通じて描写の背景となるこの洋館の雰囲気と、音楽の世界観の影響かも。実際にこの映画の監督ライアン・ジョンソン(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の監督)は、アガサクリスティーのファンとして、その要素をこの映画にちりばめたとか。
また、音楽もミステリーらしさを盛り上げる重要な要素として貢献しています。特にテーマ曲であるフランク・シナトラの「I’m Gonna Live Till I Die」が映画全体を通じて映像とリンクしながら、観客をその世界に一層引き込んでくれます。
通常なら、オリエント急行殺人事件のように、監督やキャストを一新したリブート作品(=ミステリー映画の場合は、結末を知った上で見てしまうことになる…)として取り組むケースも最近は多いのですが、本作は全くのオリジナル脚本ということもあり、「古き良きミステリーの雰囲気に飢えたミステリーファンが、未知のシナリオを豪華なキャストで楽しむ」という、リッチなエンターテイメントに仕上がっています。